OFFについて

「今日はオフなので、釣りにでも行ってきます」など、
よく日本語でも使われるようになりました。

英語のイメージとしては、「何かから遠ざかる」や、「取り消す」などの感じでしょうか。

この例では、「仕事から離れる」ことですし、様々な動詞と繫げてよく使われます。

お馴染みなのが、「テイク・オフ」や、「セール・オフ」のように、
地上から離れる(離陸)や、港を出る(出港)、などで、逆に
オフが頭についた言い回しでよく聞くのが「オフ・レコ」です。

これは、勿論、「オフ・ザ・レコード」の略で、言わば「ここだけの話し」です。
ビジネスでは、「put off・・・プット・オフ」がよく使われます。
これも「決まった予定を延期する」と言うことですから、同じ用法です。

これと対をなしているのは「オン」。

オン・デマンド印刷や、オン・ステージ、オン・ザ・ジョブ トレーニング(実習教育)などがあります。
以前に書いたように、オンサイト、オフサイト(O-to-O)などは、両方を使いこなしています。

さて、今日のテーマは、オフ。

現在、系列の会社、メディアビークルでは、「style of living」と言うウェブサイトで、
コスメティックスの販売をしています。
これは、人の「暮らし方」、や「生き方」という意味で、その

テーマの中心となっているのが、この「オフ」です。

情報の取り方一つを考えても、今の私達の周りには、あまりにも多くの選択肢がありますし、
何を買う、どこへ行く、何を食べるなど、日常的に「選択を迫られる」時に、思わず
「どうしようか?」と立ち止まってしまうこともよくあります。

じつは、「スタイル・オブ・リビング」では、このように様々な判断が必要な時に、
「自分指標」を培って、「削ぎ落としの訓練をする」ことをお勧めしています。
それが出来ると、意外にも気持ちの落ち着きや、安らぎ感までも手にすることが出来るからです。

最近のマーケティグ用語として使われている「キュレーション」を考えると、それがはっきりします。

以前も書きましたが、これは、「視座」とか、「視点」とか訳されていて、
基本にある考え方は「独自」の視点・視座で見つめる事だからです。

普段は「昔からこうだ」とか、「何気なく」とかで、考えもしなかったことを別の視点で
「いや、待てよ?」と自分に問いかける。 

そこに「皆がやっているから」は、入り込む余地はなくなります。

長い人生のすべての期間にわたって、「これからは、こうしよう」と言うような
決意めいたものではなく、「たまにはどうかな?」ぐらいで充分でしょう。

昔から飲ん兵衛の人が、「休肝日」と称して、お酒を飲まずに肝臓を労わったりするのも、そのよい例です。

ベジテリアンを宣言しなくても、「今日は野菜の日」でもOKですし、たまにはテレビをつけない日や、
クルマではなくチャリで、や、電車の中ではスマホを使わずに読書、とか、そんな
「ちょっと違うこと」にキュレーションを仕掛けてみると、その奥にある
「暮らしの豊かさって何だろう」に繋がりそうです。

オフ・ザ・TV、オフ・ザ・モバイル、オフ・ザ・カー、そんな「オフ・シリーズ」を楽しむことは、
逆にこれまでの生活では考えなかった「オン」を見付けることにもなりそうです。

ガーデニングや、ツーリングなどの新しい趣味でなくても、

「手紙を出してみよう」、「図書館はどこだっけ」など、オフから得た「余裕」が、
心地良さを運んでくれる可能性があります。

或る時、
一人の女性が自分の化粧品棚を見て、「これって何なの?」から始まり、
気になる成分を調べて愕然としたことから始まった化粧品作り。

これもまさにこれまでの自分から「オフ」して、自分のキュレーションから「オン」した典型と言えます。
これがバネッサ・ミーガンの誕生でした。