NSFWだって?

「日本は恥の文化である」と、よく言われます。

昔の武士は、「恥じる事」や、「辱めをうける」事に対して、過剰なほどの反応を示して、
自らの死でもってそれを購うということがよくあったようです。
確かに、文化を「独自性」という言葉に置き換えてみると、日本、または日本人にとって、
この「恥」は、他の国とは異なる日常行動の規範になっているのがよくわかります。

これが「他人の目を気にする」や、「世間体が悪い」、などという暮らし方のスタンダードにも表れ、
またそれが「目立たないように」や、「皆と同じ」に繋がって、
そこからスピンアウトすると「いじめ」の元凶になったりします。

特に他の国の人々とつきあってみると、「恥」にたいする感性が
色々なところで違っていることに気づきます。

極端な例ですが、日本にヌーディスト・ビーチが普及しないのは、そんな「恥ずかしさ」への
違いを表しているようですし、ヌーディストの街頭行進などが無いのも、
それに「そぐわない国民性」があるからではないでしょうか。

最近の例でいえば、
LGBT(レスビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの略)についての
「世間認知活動」が、日本ではまだ起こっていなかったり、起こっていても

ほとんど話題にならないことも挙げられます。

さて、寄り道をしましたが、今日のテーマは、「NSFW」です。

多少「恥ずかしさ」とは趣が異なりますが、最近のFBでみた記事からです。

半分は「ジョーク」でもあり、また、エイプリル・フールの意味合いもあったのでしょうが、
記事のタイトルは「1ヶ月間、社内では裸で仕事を」です!

なんとも勇ましいというか、バカバカしくも、微笑ましいと言うか、でも
「公序良俗に反する」というか、「いや、第三者には迷惑をかけないから」というか・・・。

とにかく、数枚の画像では、何人かの男性・女性が、それこそ「すっぽんぽん」で、
机に向かってパソコンをたたいていたり、ロビーで立ち話をしていたり。
そこでは、性的な感覚などはどこかに飛んで行ってしまっていて、
見た目の年齢も体型も関係なく、ただ「何も身につけていない」だけが違っている
「職場風景」がありました。

でも、コメントの最後には、慎ましくも、ironically 「NSFW」の文字がありました。

Not Suitable For Work の事だそうです。 

つまり、「この画像は、職場での閲覧には不適切」という訳です。

その前に「ironically・・皮肉にも・・・」とあるのは、
掲載した人の「残念感」が詰まっていそうで、思わず笑ってしまいました。
何を隠そう、私自身、それを無視して「拝見」してしまいました。

ちなみに、似たようなものでは、
NWS not work suitable, や、NSS not school suitable もあります。
これらの略号も含め、最近の言葉の「ツマリ」のなんと多くなってきたことかと、茫然自失。
もはや理解の努力を続ける気が無くなりそうです。
「ステマ」が、ステルス・マーケティングなのですから。

そういえば、先日社内にセキュリティ・ソフトを導入したとき、設定に来たエンジニアが
「不適切なサイトの閲覧規制はどうしますか?」と言っていました。

「それは特に必要ありません、それぐらいは皆、自分で判断できますから」

って、偉そうなことを言った後に、ふと、気がついて、
「TOTOのサイトで、くじを購入するのは不適切になるのかも・・」と
いささか自己嫌悪気味だった事を思い出します。

「仕事をする為に会社があり、そこにいる」のですから、
夜の個人的な飲み会の場所探しや、休日のゴルフ場の予約サイトの閲覧など、
もってのほか!で、不適切極まりない!というのは
NSFWの拡大解釈になるのでしょうか。

情報過多になると、こんなどうでもよい「迷い」まで背負いこんでしまうのですかね。
なんとも味気ない話しですが、各自、御一考を。